イギリスと言うのは日本だけ!?
イギリスの正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」というのは、ご存知の方も少なくないと思います。 しかし、「イギリス」という呼称は、世界では通用しないことをご存知ですか?
イギリスは「イングランド」「ウェールズ」「スコットランド」「北アイルランド」の4つの国が1つになっている「連合王国」です。実はこの4つ、歴史的に見て独立性の強い4つの国がイングランドを中心に1つになっているだけなのです。分かりやすく言えば、日本、中国、韓国、北朝鮮が1つにまとまっているというような関係性です。
そのため、世界の五大ウイスキーも次のように分類されています。
(1)スコットランドのスコッチウイスキー
→生産されている地域によって「スペイサイド」「ハイランド」「ローランド」「アイラ」「キャンベルタウン」「アイランド」の6つに細分化されています。よく似ていますが、「アイラ」と「アイランド」と「アイリッシュ」は違う種類のウイスキーなので、注意して下さい。
(2)アイルランドのアイリッシュウイスキー
→ウイスキーの元祖と言われるウイスキー。20世紀の初めに表舞台から消えてからおよそ100年後、再び注目度が急上昇しています。蒸溜する回数も通常より多い3回のものが多く、ライトで雑味が少なく、すっきりとした味わい。そのうえ華やかな香りということで、初心者でも最もとっつきやすいと言われています。
(3)アメリカのアメリカンウイスキー
→使われている原料によって、バーボン(トウモロコシが51%以上使われたウイスキー)、ライ(ライ麦が原料)、コーン(トウモロコシが80%以上使われたウイスキー)などの種類があります。バーボンとコーンは大まかに説明すると、使われているトウモロコシの比率で区別されています。
(4)カナダのカナディアンウイスキー
→他のウイスキーと比べると定義が少なく、自由度の高いウイスキーだと言われています。ライトで爽快、スッキリとした味わいが特徴です。
(5)日本のジャパニーズウイスキー
→近年世界から注目を集めており、国内の蒸溜所の数も100か所以上。しかし、「日本国内で製造され、日本国内で木製樽に詰めて3年以上熟成させたもの」と定義されているため、外国産のウイスキーや原料のモルトを使用したものは、「国産ウイスキー」と呼ぶのが正解です。
ではなぜ日本では「イギリス」と言われているのか?
それは江戸時代の初めにポルトガルと貿易していたとき、イングランドを表すポルトガル語「イングレス」から生まれたと言われています。繰り返しになりますが、イギリスは"United Kingdom"であって、"England"ではないので、気を付けたいですね。